シュタイナー神智学は、哲学者であり、ゲーテ研究家として活躍していた
ルドルフ・シュタイナによって確立された思想のことです。
20代前半の頃から、さまざまな研究を行い、
1902年以降は、神智学協会に所属していたシュタイナーは、
この思想を広めるために実に多くの講義をして回りました。
そして、1904年に出版された著書、『神智学』によって、
はじめて彼の思想の全体像が公に公開されることになりました。
とはいえ、彼自身、「神智学とは?である」という言い方を
けっしてしなかったといいます。
それは、神智学というものが、知識のひとかたまりではなく、
あらゆるものごとを認識するためのプロセスであるからです。
そして、彼は、認識には限界がなく、精神的な修行を行うことで、
如何様にも広げることができる、と主張しています。
『いかにしてより高次の世界の認識を獲得するのか?』という著作の中で、
シュタイナーは具体的な修行のやり方について、詳しく語っています。
ここに示された修行の道こそ、神智学だと、一般にはよく言われていますが、
ただ、ここでもやはり、彼は自分の思想について、決めつけていません。
むしろ、この本では、冒頭の「はしがき」において
一度だけ「神智学」という言葉が使われる以外、
本文では一切使用されていないほどです。
これは、彼が意図的にその言葉の使用を避けていたという可能性もあります。
創立者である彼自身がひとことでは言い表さなかったように、
神智学について、短い言葉で語りつくすことはとても難しいことです。
ただ、大まかにまとめると次のようになります。
神智学とは「認識の道」ですが、単純に修行の手段ではないということ。
また、精神的な修行の手段が、今日の人間の意識に適応しているかどうかは、
神智学であるかどうかと同義ではない。
さて、ご理解いただけたでしょうか?